カラーユニバーサルデザインの提案

色覚障がい

色覚障がいは、日本人男性の約 20 人に1人(約5%)、女性で約 500 人に1人(約 0.2%) の割合で現われます(参考:公益財団法人日本眼科学会ホームページ)。色覚障がいとは色が見えないというわけでなく、「見え方」が少しだけ他の人と違っていることを表します。日常生活の中でこのような「見え方の違い」は不便を強いられます。また、誰もが年齢を重ねることで白内障などの視力に関する問題を抱えていきます。どんな人にも情報が見えやすくなるために、配慮する必要があるのです。

〈例〉

◆サイン

シルバープレートに対してピクトグラムのマークの色は見えにくくなります。赤は黄色系の色味になります。背景に色があるとマークはくすんで見えてしまいます。この場合白フチをつけるなどすると形が見えやすくなります。

◆道路標識

左の写真のように、緑色は黄色系に引き寄せられる傾向があります。そのため、標識が自然物(木々・山など)と重なると見えにくくなります。

色覚のタイプによる色の見え方

光を感じる錐体は、血液型のように生まれつきタイプが決まっています。一番多いのが赤緑青の3種類の錐体を持つタイプ(C型)で、日本人男性の約95 %、女性の99 %以上を占めます。 次に多いのが緑の錐体が無かったり感じる波長が赤に似通ったタイプ(D型)、その次が赤の錐体が無かったり、感じる波長が緑に似通ったタイプ(P型)です。C・D・P型の3タイプで、ほとんどを占めます(その他にT型とA型が知られています)。人数が多いC型を「一般色覚者」と呼び、C型以外の色覚の持ち主を(C型を基準とすれば色認識に弱い点があることから)「色弱者」と呼びます。

色覚シミュレーション

人によっては区別しにくい色があったり、配色の調整がされていないと情報が読みとれないということがあります。
そのようなことに配慮するための工夫の仕方は色々あります。その中で「色覚シミュレーション」を通して一般的な見え方とP型色覚の方、D型色覚の方、T型色覚の方、白内障の方の見え方の違いを確認して頂き、印刷物や看板などの製作物がより多くの方に見えやすいものとなるようにお手伝いいたします。
また、すでにある広告物を色覚障がい者に配慮したデザインに改良したいというご相談にもお応えいたします。ちょっとした色の変更、またそれに合わせて、文字やグラフなど見やすさ、読みやすさを一緒に追及していきたいと思います。